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IELTSリーディングの要約・表・フローチャート完成問題:語数制限と空欄に入る語の形

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

要約文の空欄を埋める設問は、該当箇所さえ見つかれば得点しやすい一方で、答えが合っているのに語数制限や語の形で落とすことがあります。本文の理解とは別のところで点を失うのが、この設問タイプの特徴です。

この記事では、要約・ノート・表・フローチャートを完成させる設問について、本文から抜き出すタイプと語群から選ぶタイプの違い、指示文にある語数制限の読み方、空欄に入る語の形の予測、そして拾った語を書き換えてしまう誤りを整理します。

01要約完成問題には2つのタイプがある

この設問には、本文から語を抜き出して書き込むタイプと、用意された語群から選んで記号を書き込むタイプがあります。どちらのタイプかは指示文で見分けられ、解き方も変わります。

本文から抜き出すタイプ

Complete the summary below.
Choose NO MORE THAN TWO WORDS AND/OR A NUMBER from the passage for each answer.
Write your answers in boxes 27-31 on your answer sheet.

語群から選ぶタイプ

Complete the summary using the list of words, A-H, below.
Write the correct letter, A-H, in boxes 27-31 on your answer sheet.

抜き出すタイプでは、本文にある語句を、原則としてそのまま抜き出して書きます。語群から選ぶタイプでは、語数制限に従って本文から抜き出すのではなく、語群の選択肢に対応する記号を答案に書きます。語群の語は本文にそのまま出てくるとは限らず、本文の表現を言い換えたものが並びます。

要約文が本文全体を要約しているとは限りません。指示文に対象の段落が示されていることがあり、その場合は探す範囲がその段落に限られます。示されていない場合でも、要約文に出てくる固有名詞・数字・言い換えにくい具体語から、本文のどのあたりを扱っているかの見当が付きます。

ノート・表・フローチャートも同じ設問

要約文の代わりに、箇条書きのノート、表、工程を並べたフローチャートの形で出ることもあります。見た目は違いますが、指示文の形も、本文から抜き出すか語群から選ぶかという構造も同じです。表やフローチャートでは、列の見出しや矢印の向きが本文のどの部分に対応するかの手がかりになります。

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02語数制限をどう読むか

語数制限は指示文に書かれており、これを超えた答えは正解になりません。内容が合っていても語数で外れるので、設問に取りかかる前に制限を確認しておきましょう。

指示文 書ける範囲 数字の扱い
ONE WORD ONLY 1語だけ 数字を書く形は指示されていない
NO MORE THAN TWO WORDS 1語または2語 数字を書く形は指示されていない
NO MORE THAN TWO WORDS AND/OR A NUMBER 1語または2語、それに数字を加えた形も可 数字1つを含められる
NO MORE THAN THREE WORDS AND/OR A NUMBER 3語まで、それに数字を加えた形も可 数字1つを含められる

答えとして数字を書けるかどうかは、指示文に AND/OR A NUMBER が入っているかで確かめます。数え方で迷いやすいのがハイフンでつながれた語です。check-in や well-known のようなハイフンでつながれた語は、通常1語として扱われます。a や the のような冠詞も1語として数えますが、語数に収めたいからといって本文にある冠詞を勝手に削ると、答えの形が変わってしまいます。冠詞まで入れると制限を超えるなら、拾う場所のほうを見直しましょう。

2語で書けないときは、拾う場所が違う

制限が2語なのに、本文から取ろうとすると3語や4語になってしまう場面があります。このときは無理に縮めず、拾う場所そのものを疑ってみましょう。空欄は、本文のどこかにある1語から2語がそのまま収まるように作られています。長い句しか見つからないなら、本文の別の箇所に同じ内容を短く言った部分があるか、そもそも空欄に対応する箇所を取り違えている可能性があります。

数字の書き方

答えとして数字を書けるかどうかは、指示文に A NUMBER が含まれているかで確かめます。算用数字で書くか英単語で書くかは、本文と同じ表記にそろえておくのがいちばん安全です。本文の表記に合わせておけば、語数の数え方も本文どおりになります。

03空欄の前後から入る語の形を予測する

本文を探し始める前に、空欄に入る語の品詞と形を要約文の側から決めておくと、本文の該当箇所を見つけたときの判断が速くなります。予測が付いていれば、本文の周辺にある語のどれを取るかで迷いません。

本文

Between 1890 and 1914, the port of Hamburg expanded faster than any other in northern Europe. Much of this growth was driven by emigration: nearly five million people passed through the city on their way to North America. To house them while they waited for a ship, the port authority built a series of dormitories on the eastern bank, which by 1907 could hold four thousand people at a time.

要約文

The port of Hamburg grew rapidly in the years before the First World War, largely because of 1 .............. . Those waiting to travel were housed in 2 .............. built by the port authority, which by 1907 had room for 3 .............. people at once.

空欄1は because of のうしろなので名詞が入ります。本文で「成長を引き起こしたもの」を名詞で述べているのは emigration です。空欄2は in のうしろで、built by ... が後ろから修飾しているので、数えられる名詞の複数形が収まります。本文の dormitories がこれに当たります。空欄3は people の前なので数量を表す語で、本文の four thousand をそのまま取ります。

予測しておく内容は、次の3つで足ります。

  • 品詞:空欄の前後を中心に、文全体の構造から、名詞・動詞・形容詞・副詞のどれが入るかを決める
  • 数と形:名詞なら単数か複数か、動詞なら時制と態はどうか
  • 意味の方向:増える話なのか減る話なのか、原因なのか結果なのか

意味の方向まで決めておくと、本文の該当箇所が近いのに別の語を取ってしまう取り違えが減ります。空欄1の場合、because of のうしろに入るのは原因を表す語なので、結果の側にある expanded や growth は候補から外れます。

04本文の語を書き換えてしまう誤り

4-1 要約文に合わせて語形を直してしまう

本文

The survey found that households in rural districts spent, on average, twice as much on transport as those in the capital. Researchers attributed this gap to the closure of local bus services during the previous decade.

要約文

Rural households spend more on transport than households in the capital, a gap that researchers explain by pointing to the 4 .............. of local bus services.

closed本文の closure を、自分の感覚で別の形に直してしまった

closure本文にある形をそのまま書く。the ... of という枠にも合っている

抜き出すタイプでは、本文にある語句を、原則としてそのまま抜き出して書きます。空欄は、本文の語句がそのまま収まるように作られているので、語形を直して文法に合わせる必要は基本的に生じません。逆に言えば、本文から取った語をそのまま入れて文法が合わないと感じたときは、拾う場所が違っている合図です。語形を直して合わせるのではなく、本文の別の箇所を探し直しましょう。

この設問では、綴りが正しいかどうかも採点に関わります。本文を見ながら書き写す設問なので、綴りのミスは避けられるはずのところで点を失うことになります。答えを書き込んだあと、本文と1文字ずつ照らし合わせる時間を残しておくと確実です。

要約文の言い回しは本文と変えてある

要約文は本文をそのまま短くしたものではなく、言い換えを含んだ文になっています。上の例でも、本文の attributed this gap to が、要約文では explain by pointing to に置き換わっています。空欄の周りの語が本文に見当たらないからといって、該当箇所を通り過ぎないようにしておきましょう。手がかりになるのは、言い換えにくい具体語(local bus services、rural、transport)のほうです。

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05語群から選ぶタイプの解き方

語群から選ぶタイプでは、答えは語群の中にしかありません。本文から語を拾う必要がないので、この形式では語数制限も綴りも問題になりません。そのぶん、語群の語と本文の表現を対応させる作業が中心になります。

本文

The rise in yields was largely explained by the purchase of harvesting equipment, which allowed crops to be gathered before the autumn rains arrived. Farms that continued to harvest by hand saw no comparable improvement.

要約文と語群

Yields improved mainly because farms invested in new 5 .............. .

A output  B rainfall  C labour  D machinery  E storage  F soil quality

B rainfall本文に the autumn rains があるので選んでしまう。本文は雨に投資したとは述べていない

D machinery本文の harvesting equipment の言い換え。invested in new に意味の上でも文法の上でも収まる

語群には、本文に出てくる語をそのまま使った選択肢が混ざります。これは本文の該当箇所にたどり着いた受験者ほど選びやすい形なので、語が一致していることを根拠にしないようにしておきましょう。本文で何がその内容を担っているかを確かめてから語群に戻ります。

絞り込みは、意味と文法の両方から進められます。invested in new のうしろなので、数えられない名詞か複数形の名詞が入ります。output は結果の側にある語なので、because のうしろには収まりません。この段階で候補が2つ程度に減り、残りは本文との対応で決まります。

解く手順

ステップ すること 確かめること
1 指示文の確認 抜き出すタイプか語群から選ぶタイプかを見る 語数制限と、対象の段落が指定されているか
2 要約文を通して読む 空欄を飛ばして最後まで読み、何の話をしているかをつかむ 要約文が本文のどのあたりを扱っているか
3 空欄の形を予測する 品詞・数と形・意味の方向を空欄ごとに決める 原因を入れるのか結果を入れるのか
4 本文の該当箇所を探す 言い換えにくい具体語を手がかりに、本文を絞る 要約文の言い回しではなく、内容で探しているか
5 答えを書く 抜き出しなら本文の形のまま、語群なら記号を書く 語数制限を超えていないか、綴りが本文と一致しているか

要約・ノート・表・フローチャートを完成させる形では、空欄の答えが本文と同じ順に並ぶとは限りません。文完成問題(Sentence Completion)が通常は本文の順序に沿って並ぶのとは、ここが違います。そのかわり、答えが本文の関連する一部分にまとまっていることも多いので、要約文を通して読んで本文のどこを扱っているかを先に絞り込んでおくと、空欄ごとに探す範囲が狭くなります。設問によっては複数の箇所にまたがることもあるため、絞り込んだ範囲で見つからないときは前後にも目を広げましょう。

06よくある質問

語数制限を1語超えただけでも不正解になりますか。

制限を超えた答えは正解になりません。内容が合っていても語数で外れるので、設問に取りかかる前に指示文で制限を確認しておきましょう。

ハイフンでつながれた語は何語と数えますか。

check-in や well-known のようなハイフンでつながれた語は、通常1語として扱われます。a や the のような冠詞も1語として数えますが、語数に収めたいからといって本文にある冠詞を勝手に削るのは避けましょう。冠詞まで入れると制限を超えるなら、拾う場所のほうを疑います。

本文の語をそのまま入れると文法が合いません。形を直してよいですか。

直さずに、拾う場所を疑ってみましょう。抜き出すタイプの空欄は、本文の語句がそのまま収まるように作られています。入れて文法が合わないと感じたときは、対応する箇所を取り違えている可能性があります。

綴りを間違えると不正解ですか。

綴りは採点に関わります。本文を見ながら書き写す設問なので、書き込んだあとに本文と1文字ずつ照らし合わせる時間を残しておくと確実です。

数字は算用数字と英単語のどちらで書くべきですか。

まず、指示文に A NUMBER が含まれているかを確かめます。含まれていれば数字を答えとして書けます。算用数字と英単語のどちらで書くかで迷ったときは、本文と同じ表記にそろえておくのが安全です。

語群から選ぶタイプでは、本文に出てくる語を選べばよいですか。

語群には、本文に出てくる語をそのまま使った選択肢が混ざります。本文の該当箇所にたどり着いた人ほど選びやすい形なので、語が一致していることを根拠にはできません。本文で何がその内容を担っているかを確かめてから語群に戻ります。

要約文の空欄は本文の順に並んでいますか。

必ずしもそうではありません。要約・ノート・表・フローチャートを完成させる形では、答えが本文と同じ順に並ぶとは限りません。ただし答えは本文の一部分から取られることが多いので、まず要約文を通して読み、本文のどの部分を扱っているかを絞り込んでおきましょう。なお、文完成問題(Sentence Completion)のほうは、通常、本文の順序に沿って並びます。

ノートや表、フローチャートの形で出た場合も解き方は同じですか。

同じです。指示文の形も、本文から抜き出すか語群から選ぶかという構造も変わりません。表やフローチャートでは、列の見出しや矢印の向きが本文のどの部分に対応するかの手がかりになります。

07まとめ

要約完成問題では、本文の理解とは別のところで点を失いやすくなります。抜き出すタイプでは語数制限と語の形と綴り、語群から選ぶタイプでは語が一致しているだけの選択肢が、それぞれの落とし穴です。

本文を探し始める前に、要約文の側から空欄に入る語の品詞・数と形・意味の方向を決めておくと、該当箇所を見つけたあとの判断が速くなります。抜き出した語をそのまま入れて文法が合わないなら、直すのは語形ではなく探す場所です。

  • 指示文で、抜き出しか語群かと語数制限を先に確認する
  • 空欄ごとに品詞・数と形・意味の方向を予測してから本文を探す
  • 本文の語句は原則そのままの形で書く。合わないなら拾う場所を疑う
  • ハイフンでつながれた語は通常1語、冠詞も1語として数える。語数に収めるために冠詞を削らない
  • 要約・ノート・表・フローチャートでは、答えが本文と同じ順に並ぶとは限らない
  • 語群から選ぶタイプでは、本文と同じ語が入った選択肢を根拠にしない
  • 書き終えたら、綴りを本文と照らし合わせる

綴りで落とす失点は、練習で減らせます。書き写しの正確さに不安があるうちは、聞き取った語や読んだ語を書き出す練習を日々の学習に少しずつ入れていきましょう。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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