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リーディング

IELTSリーディングの情報照合(Matching Information):見出し照合との違いと探し方

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

設問文に出てくる語をたよりに本文を探しても、どの段落にあったのか決めきれずに時間だけが過ぎることがあります。段落の要旨をつかむ設問と同じ読み方で解こうとすると、この設問タイプは急に重くなります。

この記事では、Matching Information(情報の照合)で何が問われているのかを確認したうえで、Matching Headings(見出し照合)との違い、探す順番、そしてキーワードに引っ張られる誤読を具体例で整理します。見るのは段落の要旨ではなく、設問文が述べている情報そのものが段落のどこかにあるかどうかです。

01Matching Information は何を問う設問か

Matching Information は、設問文に書かれた情報がどの段落に含まれているかを答える設問です。段落全体がその話題を扱っている必要はなく、段落のどこか一文にその情報があれば、その段落が答えになります。

試験用紙には、次のような指示文が印刷されています。

Matching Information の指示文

Reading Passage 2 has seven paragraphs, A-G.
Which paragraph contains the following information?
Write the correct letter, A-G, in boxes 14-18 on your answer sheet.
NB You may use any letter more than once.

指示文にある「contains」が、この設問の性質をそのまま示しています。問われているのは段落が何について書かれているかではなく、その情報を含んでいるかどうかです。また「You may use any letter more than once」とあるとおり、同じ段落が複数の設問の答えになることがあります。この一文が入っていれば、1つの段落を使ったあとも候補から外しません。

設問の並び順は本文の順とは限らない

リーディングの多くの設問タイプでは、設問の並びが本文の流れとおおむね対応しています。Matching Information はその対応が崩れる設問です。1問目の答えが段落F、2問目の答えが段落Bということが普通に起こります。前の設問の答えより後ろだけを探す解き方は、この設問には使えません。

順番の手がかりがないぶん、探す範囲が本文全体になります。時間がかかる設問タイプなので、同じパッセージに他の設問があるときは、先に解いた設問を通して本文の内容をある程度つかんでから取りかかると、探す負担を減らせます。

リーディング IELTSリーディング設問タイプ完全攻略:10種類の特徴とつまずきやすいポイント、対策の方向性

02Matching Headings とどこが違うのか

2つの設問は、どちらも段落の記号を答えるので見た目が似ています。違うのは、段落の要旨を問うているのか、段落に含まれる情報を問うているのかという点です。

比べる観点 Matching Headings Matching Information
照合する対象 段落全体の要旨 段落のどこかにある個別の情報
段落の一部しか指していない候補 誤答になる その一部にあれば正解になる
同じ段落を2回使えるか 使わない 指示文に more than once とあれば使える
設問の並びと本文の流れ 段落の順に並ぶ 対応しない
読み方 段落を通して読み、要旨を一言にする 設問文の情報を手がかりに本文を探す

この違いが問題になるのは、1つのパッセージに両方の設問が出たときです。Matching Headings では落とすべき「段落の一部だけを指す内容」が、Matching Information では答えそのものになります。同じ本文を扱いながら、判断の基準を切り替えることになります。

設問文の書き方にも違いが出ます。Matching Headings の候補は名詞句で短く書かれますが、Matching Information の設問文は「a comparison between two methods of measurement」「the reason why an early theory was abandoned」のように、情報の種類を説明する形で書かれます。この形の文が並んでいたら、要旨ではなく情報を探す設問だと判断できます。

03段落を頭から読んで探すとどうなるか

設問文を読んでから段落Aの1文目に戻り、順に読み進めていく解き方をすると、5問それぞれについて本文を最初から探すことになり、本文を何度も往復することになります。Matching Information で時間が足りなくなるのは、英文が読めていないからではなく、この周回の回数が多いためです。

回数を減らすには、設問を1問ずつ処理せず、5問の設問文をまとめて頭に入れてから、本文を1周します。本文を読みながら、印象に残る記述が出てきたところで設問文のリストに目を落とし、当てはまるものがあればその場で段落の記号を書き込みます。

設問文のどこを覚えておくか

設問文を丸ごと覚えておく必要はありません。各設問文について、探す手がかりになる部分だけを1つか2つ拾っておきます。手がかりになりやすいのは次のような要素です。

  • 固有名詞・数字・年代:本文でも同じ形で出てくることが多く、目で拾いやすい
  • 情報の種類を示す語:a comparison、a definition、an example、the reason、a criticism など。本文のどういう書き方を探せばよいかが決まる
  • 言い換えにくい具体語:専門用語や器具の名前など、本文でも同じ語が使われる可能性が高いもの

逆に、study、research、people、changes のような一般的な語は手がかりになりません。本文のどの段落にも出てくるため、目印として機能しないためです。

情報の種類から本文の形を予測する

設問文が「a comparison between two methods」と言っているなら、本文には2つのものを比べる書き方があるはずです。whereas、compared with、by contrast、while のような表現、あるいは数値を並べた一文が目印になります。「the reason why ...」なら because、since、this is due to、as a result of のような、原因と結果の関係を示す表現です。

探すのは語そのものではなく、その情報が書かれるときに使われる形です。この予測をしておくと、本文を1周する速度を落とさずに拾えるようになります。スキャニングの具体的な目の動かし方は、こちらの記事で扱っています。

リーディング IELTSリーディングのスキミングとスキャニング:どこを目で追うかの具体手順

04キーワードが出てくる段落を選ぶ誤読

4-1 語が見つかった段落を、情報がある段落だと思う

本文(段落C)

Tidal turbines were installed at three sites along the northern coast in 2016. Each unit was designed to operate for twenty years with minimal servicing. The programme was widely reported at the time as a model for other coastal regions.

本文(段落E)

Maintenance costs proved higher than the developers had anticipated. Salt corrosion damaged the bearings of two of the tidal turbines within four years, and the vessels needed to reach them could only sail in calm conditions. Repair work that had been budgeted at a few thousand pounds a year rose to more than ten times that figure.

設問文

a reference to the difficulty of reaching equipment for repairs

段落Cに tidal turbines と minimal servicing があるので C設問の repairs と関連する語はあるが、修理のために現場へ行きにくいという情報はない

段落Eの the vessels needed to reach them could only sail in calm conditions穏やかな日にしか船を出せない、が difficulty of reaching equipment に対応する。答えは E

この誤読が起きるのは、設問文の語と本文の語を照合してしまうためです。設問文の repairs に対して本文の servicing が目に入ると、話題が同じであることを根拠に段落を決めてしまいます。ところが設問文が言っているのは修理という話題ではなく、修理のために機材へたどり着きにくいという情報です。

設問文を読んだ時点で、探すべき情報を一文の日本語に直しておくと、この取り違えを防げます。「修理」という単語ではなく「修理に行くのが大変だと書いてある箇所」と言葉にしておけば、話題が合っただけの段落で止まりません。

もう一つ、答えの根拠となる一文が段落の主題とは無関係なところに置かれていることもあります。段落Eの主題は費用の話ですが、答えの根拠は船の運航条件を述べた部分です。段落の要旨で候補を絞ると、この形の設問は拾えません。段落の要旨と、段落に含まれる情報は別物として扱いましょう。

05探す手順を整理する

ステップ すること 確かめること
1 指示文の確認 対象の段落の範囲と、同じ記号を2回以上使えるかを見る NB You may use any letter more than once があるか
2 設問文を日本語で一言にする 各設問文が探している情報を、話題ではなく内容として言葉にする 「修理の話」ではなく「修理に行きにくいと書いてある箇所」になっているか
3 手がかりを1つか2つ拾う 固有名詞・数字・情報の種類を示す語に印を付ける 本文のどの段落にも出てくる一般的な語を選んでいないか
4 本文を1周する 設問文のリストを手元に置いたまま、段落Aから順に目を通す 当てはまる記述が出たら、その場で記号を書き込めているか
5 残った設問を処理する 1周で埋まらなかった設問だけ、候補の段落を絞って読み直す すでに使った段落も候補に残っているか

1周で全問埋まらないのが普通です。5問のうち3問が埋まれば、残り2問の探す範囲は狭まります。すべての設問を1周目で解こうとせず、拾えたものから確定させていきましょう。

模擬試験の復習では、間違えた設問について「話題で選んだのか、情報で選んだのか」を1問ずつ確かめておくと、自分がどちらの型で落としているかが見えてきます。

06よくある質問

Matching Information の設問は本文の順に並んでいますか。

並んでいません。1問目の答えが後ろのほうの段落で、2問目の答えが前のほうの段落ということが普通に起こります。前の設問の答えより後ろだけを探す解き方は、この設問には使えません。

同じ段落を2つの設問の答えにしてもよいですか。

指示文に NB You may use any letter more than once と書かれていれば使えます。この一文があるときは、1つの段落を使ったあとも候補から外しません。

Matching Headings と Matching Information はどう違いますか。

Matching Headings は段落全体の要旨と見出しが対応しているかを問い、Matching Information は設問文の情報が段落のどこかに含まれているかを問います。段落の一部しか指していない内容は、前者では誤答になりますが、後者では正解になります。

設問文のキーワードが本文にあれば、その段落を選んでよいですか。

語が一致しているだけでは決められません。設問文が言っているのは話題ではなく、その話題についての具体的な情報です。設問文を読んだ時点で、探すべき内容を一文の日本語に直しておくと、話題が合っただけの段落で止まらずに済みます。

段落の要旨から候補を絞ってもよいですか。

答えの根拠となる一文が、段落の主題とは無関係なところに置かれていることがあります。費用について述べている段落の中で、船の運航条件を述べた一文が答えになることがあります。段落の要旨で候補を絞ると、この形の設問は拾えません。

設問文のどこを手がかりにすればいいですか。

固有名詞・数字・年代、情報の種類を示す語(a comparison、a definition、the reason、a criticism など)、そして言い換えにくい具体語です。study、research、people のような一般的な語は、どの段落にも出てくるので目印になりません。

この設問タイプは先に解くべきですか、後に回すべきですか。

探す範囲が本文全体になるため時間がかかります。同じパッセージに他の設問があるときは、先に解いた設問を通して本文の内容をある程度つかんでから取りかかると、探す負担を減らせます。

本文を1周しても答えが埋まりません。

1周ですべて埋まらないのが普通です。5問のうち3問が埋まれば、残り2問を探す範囲はそのぶん狭まります。拾えたものから確定させ、残った設問だけ候補の段落を絞って読み直す形にしましょう。

07まとめ

Matching Information で問われているのは、設問文が述べている情報が段落のどこかに含まれているかどうかです。段落全体がその話題を扱っている必要はなく、一文でもその情報があればその段落が答えになります。指示文の contains という語が、この性質をそのまま示しています。

この設問が重くなるのは、設問の並びが本文の流れと対応しないためです。1問ずつ本文を探し直すと周回が増えるので、設問文をまとめて頭に入れてから本文を1周し、拾えたものから確定させていきます。

  • 指示文で、同じ記号を2回以上使えるかを確認する
  • 設問文が探している情報を、話題ではなく内容として一言にする
  • 固有名詞・数字・情報の種類を示す語を手がかりに拾う
  • 設問を1問ずつ処理せず、まとめて頭に入れてから本文を1周する
  • 段落の要旨で候補を絞らない。根拠の一文は主題と別のところにあることがある

語が一致した段落で手を止めず、設問文が求めている情報そのものが書かれているかまで確かめる読み方に切り替えていきましょう。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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