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ライティング・タスク2

主語と動詞の一致で迷いやすい7つのケース:どちらに合わせるかの判断基準

執筆:高橋 響 公開日:

主語と動詞の一致でつまずくのは、三単現の s を付け忘れるときだけではありません。The number of students に続く動詞は is なのか are なのか、Each of the countries はどうか。何に合わせればよいのか、その場で決められない主語があります。ここではそうしたケースを7つ取り上げ、動詞を決める手がかりと、タスク2の答案でどう書くかまで扱います。

01見るのは主語の中心にある語

一致を決めるのは、主語の中心にある語です。修飾している部分がどれだけ長くても、主節の動詞はそこでは決まりません。

The impact of social media platforms on young people are difficult to measure.直前の people に引っ張られている

The impact of social media platforms on young people is difficult to measure.中心は impact なので is

ここで扱う知識は、難しい文を書くためのものではありません。主語が長くなったときに、基本的なところで崩れないようにするためのものです。まず、主語を修飾している部分をいったん外して、中心になる名詞を探します。上の文なら、of social media platforms と on young people を外すと The impact が残ります。外すのは前置詞句だけではありません。The students who live in rural areas face … のように関係代名詞節が付いている場合も、節を外して Students を見ます。

とくに引っかかりやすいのが、of や on の句が入る形です。修飾の中に複数名詞が入っていると、動詞を書く直前に目に入っている語がそちらになります。

ひとつ補っておくと、修飾の中に動詞があるときは、その動詞は別に決まります。The number of students who live in rural areas is increasing. では、主節の is は The number に、節の中の live は students に合わせています。長い主語を書いたときは、一致を決める場所が2か所あると考えておきます。

主語と動詞が離れている文ほど、この手順が要ります。タスク2の答案では、主語に of 句や関係代名詞節が付いて、動詞までに5語も6語も入ることが珍しくありません。書いている本人は主語を覚えているつもりでも、書き終えたときには直前の名詞に引かれています。

この記事で扱うのは、この手順だけでは決まらない形です。書いている途中で一致が崩れる、書き終えたら s が落ちているといった見直しの話は、別の記事にまとめています。

ライティング・タスク2 文法は分かっているのにミスが出るのはなぜか:三単現のsを落とす仕組みと見直しの手順

02of を含む長い主語

of を含む主語には、中心が前にあるものと、後ろにあるものの2種類があります。ここを取り違えると、手順どおりに外しても答えが合いません。

主語の形合わせる先
the number of + 複数名詞number(単数)The number of students has increased.
a number of + 複数名詞後ろの名詞(複数)A number of students have complained.
the percentage of + 名詞percentage(単数)The percentage of women is rising.
the proportion of + 名詞proportion(単数)The proportion of older residents has grown.
a lot of / plenty of + 名詞後ろの名詞A lot of money is wasted. / A lot of people are worried.
one of + 複数名詞one(単数)One of the main causes is poverty.

the number of と a number of は形が近いのに、合わせる先が反対になります。the number of は数そのものを話題にしているので単数、a number of + 複数名詞は「いくつかの」「多くの」という意味で、文法上は複数として扱います。

percentage と proportion は、the percentage of X という全体が主語で、その中心が percentage だと考えます。The percentage of students who are satisfied with the system is high. では、主節の is は percentage に、関係代名詞節の are は who が受けている students に合わせています。図表を説明するときに何度も使う形です。

a lot of と plenty of は、of のあとの名詞で動詞が決まります。同じ a lot of でも次のように分かれます。

A lot of money is wasted on advertising.
A lot of people are worried about job security.

この形だけは、前を見ても決まりません。外して残った部分ではなく、of のあとを見ます。

03each・every・one of と neither

each と every は、複数のものを1つずつ取り上げる語なので、動詞は単数に合わせます。意味の上では複数を指していても、形の上では単数です。

Each of these countries has its own regulations.Each が中心なので has

Every student is required to submit an essay.Every + 単数名詞

neither of / either of は、書き言葉では単数に合わせるのが標準です。Neither of the arguments is convincing. の形になります。話し言葉では複数の動詞も使われますが、答案では単数にそろえておくほうが読み手の期待に沿います。

neither A nor B や either A or B のように2つの要素を並べる形では、動詞に近いほうの名詞に合わせる形が一般的です。

Neither the government nor local councils have addressed the issue.
Neither local councils nor the government has addressed the issue.

2文とも成立していますが、並べる順番を入れ替えただけで動詞が変わることになります。書き直しの多い試験の答案では、そのたびに一致を確認しなければならない形です。

この構文を、わざわざ使う必要はありません。Neither the government nor local councils have addressed the issue. は、The issue has been addressed by neither … と書き換えるより、Neither the government nor local councils have acted on it. のように短くするか、そもそも Governments and local councils have both failed to address the issue. と書いたほうが速く、一致で迷う場面も消えます。迷う構文を正しく使うことより、迷わない構文を選ぶほうが、限られた40分では現実的です。

04集団を表す名詞

government、team、company、family のように、集団を指す名詞は、単数の動詞と複数の動詞のどちらも使われます。どちらが正しいかではなく、その集団を1つのまとまりとして見ているか、中の人たちを見ているかで変わります。

見方動詞
1つの組織として単数The government has announced a new policy.
中の人たちとして複数The government are divided over the issue.

答案で扱いやすいのは単数のほうです。組織そのものを指しているなら単数で受ける、と決めておけば、迷う場面はほとんど出てきません。複数で受ける形はイギリスで書かれた文章によく見られるもので、誤りではありませんが、使い分けを意識しながら書くほど余裕のある場面は多くありません。

問題になるのは、1つの答案の中で混ざることです。The company has expanded … と書いたあとに The company are planning … と続けると、意図した使い分けなのか、うっかりなのかが読み手に伝わりません。

集団名詞とは別に、形と数がずれる語がある

people と police は複数名詞なので、are や have で受けます。The police have arrested two suspects. の形です。集団を1つと見るか中の人と見るかという話とは別で、語ごとに決まっている性質です。

05there is と there are

there is と there are では、there ではなく、そのうしろに来る名詞で決めます。動詞のほうが先に出てくるので、書き始めた時点ではまだ決められません。

There are several reasons for this trend.reasons が複数

There is several reasons for this trend.話し言葉では聞かれるが、答案では避けたい形

名詞が2つ並ぶ形には揺れがあります。There is a library and two cafes on campus. のように最初の名詞に合わせる形が一般的ですが、語順を入れ替えれば動詞も変わります。答案では、名詞を並べずに文を分けるか、複数の名詞を先に置いて There are … から始めるほうが確実です。

そもそもタスク2で there is と there are を使う場面は多くありません。There are many people who think that … は、Many people think that … と書けば There are と who の3語が消え、主語もはっきりします。一致で迷ったら、その形を正しく書く方法を探すより、迷わない形に書き換えられないかを先に考えるほうが速く済みます。

06動名詞句・that 節・what 節が主語のとき

動名詞句、that 節、what 節が主語になっているときは、単数として受けます。中に複数名詞が入っていても変わりません。

Reducing carbon emissions requires long-term investment.
That so many students drop out is a serious concern.
What governments should do is unclear.

1文目は emissions という複数名詞が入っていますが、主語は Reducing … という行為そのものなので requires です。この形は、動詞の直前に複数名詞が来ることが多いので、一致が崩れやすくなります。

3文目のような what 節の主語が書きにくければ、It is unclear what governments should do. と形式主語で始めても同じ内容になります。主語が短くなるぶん、一致で迷う余地も消えます。

関係代名詞節が主語に付いている場合も、中心の語で決めます。Students who study abroad often struggle … では、struggle の主語は Students なので複数です。節の中の動詞(study)は who が受けている名詞に合わせるので、こちらも複数になります。1つの文に一致を決める場所が2か所ある形なので、書き終えたら両方を確かめておきましょう。

and で2つの動名詞句を並べたときは複数になります。Reading widely and writing regularly are the best ways to improve. の形です。ただし、2つで1つのまとまりを指している場合は単数で受けます。

Trial and error is part of the learning process.

and でつないでいるのに単数なのは、trial and error が2つのものを並べた形ではなく、1つのまとまった概念として扱われているためです。

07data・research・information

research、information、evidence、advice は数えられない名詞です。単数で受け、a を付けず、複数形にもしません。数えたいときは a study、a piece of information のように言い換えます。日本語から考えると数えられそうに見えるので、答案では複数形にしてしまいがちな語です。

Recent researches show that …research は複数形にしない

Recent research shows that …数えるなら a study / studies を使う

data は事情が違います。もともと複数形で、学術的な文章では The data show … と複数で受ける形が今も使われます。いっぽう、一般的な文章では The data is … も広く使われています。どちらかが誤りということはないので、使うなら1本の中でそろえます。そろえる自信がないなら、data を避けて Recent studies show that … と書いてしまうほうが早く、内容も具体的になります。

受け方数えるとき
research単数a study / two studies
information単数a piece of information
evidence単数a piece of evidence
advice単数a piece of advice
data単数と複数の両方が使われるそのまま
ライティング・タスク2 make an effort か make efforts か:単数形と複数形のどちらを選ぶか IELTS学習アプリ ライティングAI添削 書いた英文を入力すると、文法と表現の改善点を確認できます

08よくある質問

The number of students は is と are のどちらですか。

is です。数そのものが主語なので単数で受けます。よく似た A number of students は「いくつかの学生」という意味なので、後ろの名詞に合わせて are になります。

主語が長いときはどこを見て判断すればよいですか。

主語を修飾している部分をいったん外し、中心になる名詞で決めます。外すのは of や on の句だけでなく、who や which の節も同じです。動詞の直前にある名詞に引っ張られやすいので、そこは判断に使いません。

一致で迷ったとき、どう書けばよいですか。

その構文を正しく書く方法を探すより、迷わない形に書き換えるほうが速く済みます。neither A nor B を Governments and local councils have both … に変える、There are many people who … を Many people … に変える、といった書き換えです。40分で書き切るタスク2では、この判断のほうが効きます。

The government are と書くのは誤りですか。

誤りではありません。集団を指す名詞は、1つの組織として見るか、中の人たちとして見るかで動詞が変わり、複数で受ける形はイギリスで書かれた文章によく見られます。答案では一貫していることのほうが大事なので、迷うなら単数にそろえておくと書きやすくなります。

There is と There are はどちらを使えばよいですか。

うしろに来る名詞で決めます。名詞を2つ並べる形には揺れがあるので、答案では文を分けるか、複数の名詞を先に置くほうが確実です。そもそも There are many people who think that … は、Many people think that … と書けば3語短くなり、主語もはっきりします。

見直しのときは、どの文を見ればよいですか。

動詞の前に3語以上の修飾が入っている文です。of 句、関係代名詞節、動名詞句のいずれかが主語に付いている文では、動詞を書く直前に目に入っている名詞が主語の中心とずれています。全文を読み直すより、この形の文だけを拾うほうが早く見つかります。

researches と書いてもよいですか。

research は数えられない名詞なので、複数形にしません。数を示したいときは a study、two studies を使います。information、evidence、advice も同じ扱いです。

The data is と The data are はどちらが正しいですか。

どちらも使われています。どちらかが誤りということはないので、1本の答案の中でそろえることが先です。迷うなら data を使わず、Recent studies show that … のように具体的な名詞で書くほうが確実です。

09まとめ

  • 一致を決めるのは主語の中心にある語。of や on の句はいったん外して考える
  • the number of は単数、a number of は複数。a lot of は後ろの名詞で決まる
  • each・every・one of は単数。neither A nor B は動詞に近いほうに合わせる
  • 集団を表す名詞は単数でも複数でも受けられる。1本の答案の中ではそろえ、迷うなら単数に
  • there is と there are はうしろの名詞で決める。並べる形は揺れるので、文を分けるほうが確実
  • 動名詞句・that 節・what 節は単数。中に複数名詞が入っていても変わらない
  • research・information・evidence・advice は単数で受け、複数形にしない

迷ったときにやることは、結局2つです。主語の中心はどの語かを確かめる。それでも決まらなければ、その構文を使わずに、主語と動詞が近い形へ書き換える。見直しのときは、動詞の前に3語以上の修飾が入っている文だけを拾えば、この2つを使う場所がすぐ見つかります。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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