IELTSライティング・タスク2において最も出題頻度が高い問題形式の1つは、agree/disagreeタイプです。与えられた意見や主張に対して「あなたは賛成しますか、それとも反対しますか」という形で問われるこのタイプは、シンプルなようで、いくつか重要なポイントがあります。この記事では、agree/disagreeタイプの基本的な答え方から、エッセイ構成のポイント、よくある疑問まで丁寧に解説します。
総論
問題タイプ6分類と構成パターン
目次
どのような問題タイプか
基本的な聞かれ方のパターン
基本的なエッセイ構成
タスクからトピックセンテンスを組み立てる
メインアイデアは複数必要か?
ワンサイドで書く利点・欠点
さまざまな書き方のアプローチ
このタイプでよくある失敗
よくある質問
まとめ
01 どのような問題タイプか
agree/disagreeタイプとは、IELTSライティング・タスク2において最も出題頻度の高い問題タイプの1つです。
ある主張や意見が提示され、それに対して「あなたはどう思うか」という立場を問われます。基本的には、「賛成(agree)」か「反対(disagree)」のどちらかの立場をとり、その理由を論理的に展開することが求められます。
典型的な問題文の例
Question
Some people think that the government should invest more money in public transportation rather than roads. Do you agree or disagree?
政府は道路よりも公共交通機関にもっとお金を投資すべきだという意見があります。あなたは賛成ですか、それとも反対しますか?
このタイプの問題では、自分の立場を明確にすること(thesis statement)が最も重要です。「どちらともいえない」というあいまいな立場をとることも可能ですが、明確な立場をとった方が論理的な議論を展開しやすくなります。
02 基本的な聞かれ方のパターン
agree/disagreeタイプの問題文には、主に2つのパターンがあります。
パターン1:Do you agree or disagree?
Do you agree or disagree with this statement?
最もシンプルなパターンです。
パターン2:To what extent do you agree or disagree?
To what extent do you agree or disagree?
「どの程度(to what extent)」という表現が加わります。
「To what extent ...」があっても答え方は変わらない
「to what extent」という表現があると、「部分的に賛成(partially agree)と答えなければならないのでは?」と感じる人もいますが、そういうわけではありません。「完全に賛成」あるいは「完全に反対」というように、パターン1とまったく同じように答えて構いません。
「to what extent」は、「この部分には賛成だが、この部分には反対」というような柔軟な立場も許容するという意味であって、必ずしも部分的な賛成を求めているわけではないのです。重要なのは、自分の立場を明確にして、一貫した論拠で主張を支持することです。
ポイント
「To what extent do you agree or disagree?」のような質問であっても、「完全に賛成」「完全に反対」のポジションで答えても問題ありません。部分的な賛成を求めているわけではないことに注意しましょう。
03 基本的なエッセイ構成
agree/disagree タイプの標準的なエッセイ構成は、4段落構成です。
標準的な4段落構成
導入(Introduction):議題+ポジション
ボディ1:反論を考察
ボディ2:自分の主張を展開
結論(Conclusion):ポジション再確認+メインアイデア要旨
ボディ1:反論を考察する
ボディ1では、自分とは反対の立場の意見を考察します。取り上げた反論に対して、「〜と考える人もいる。それは、〜」というように、自分の主張と対立する意見について、なぜそのような考えをする人がいるのかを考察することで、自分の主張をより強くすることができるのです。
また、試験官に対しても「さまざまな視点を検討したうえで、自分の主張を述べることができている」という印象を与えることができ、議論の深みが増します。
ボディ2:自分の主張を展開する
ボディ2では、自分のポジションを支持する根拠(メインアイデア)を展開します。IELTSでは自身の経験と知識を元にエッセイを書くことが求められていますので、データの引用などではなく、自分の言葉で説明を深め、具体的な例・体験談を用いながら、主張を丁寧に裏付けしましょう。
基本的なボディの構成
Body 1: Some may argue that ... because ...
Body 2: However, I believe that ... because ...
04 タスクからトピックセンテンスを組み立てる
構成が決まったら、次はトピックセンテンスです。ここでは実際のタスクを使って、ボディ1とボディ2のトピックセンテンスを組み立てる手順を確認しましょう。
Question
Many people believe that countries should produce food for the whole population and import as little food as possible. To what extent do you agree or disagree?
多くの人々は、国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきだと考えています。あなたはどの程度賛成または反対ですか。
ワンサイドで書く場合
賛成の立場で議論をする場合、トピック(議論の方向性)は「countries should produce food for the whole population and import as little food as possible(国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきである)」となります。このトピックに対して、ボディ1で「it is important for food security(食料安全保障に重要である)」、ボディ2で「it is environmentally friendly(環境にやさしい)」という理由を挙げることにしましょう。
Body 1: Countries should produce food for the whole population and import as little food as possible because it is important for food security.
Body 2: Another reason is that it is environmentally friendly.
賛成の立場をとる場合には「トピック=タスク」の関係が成り立ちます。ただしこのままではタスクとまったく同じ表現を使っていることになるため、実際の回答ではある程度の言い換えが必要です。
言い換えたもの
Body 1: Nations should produce enough food to feed their populations while limiting imports because it is crucial for food security.
国々は自国民を養うために十分な食料を生産すべきであり、輸入を制限するべきです。なぜなら、それは食料安全保障にとって極めて重要だからです。
Body 2: Another reason is that enhancing food self-sufficiency contributes to environmental protection.
もう1つの理由は、食料自給率を高めることが環境保護に貢献するということです。
ワンサイドではボディ1とボディ2で同じトピックを扱うため、ボディ2ではトピックが省略されることがよくあります。
反対意見を考察する場合
ボディ1で対立意見を考察する構成では、ボディ1とボディ2で異なるトピックを扱うことになります。そのため、ボディ2でトピックを省略することはできません。
Body 1: Some people may argue that countries need not produce food for the whole population and import it if necessary because this strategy is more efficient.
一部の人々は、国々は全人口の食料を生産する必要はなく、必要なものは輸入すればよいと主張するかもしれません。なぜなら、この戦略の方が効率的だからです。
Body 2: However, I believe that nations should focus on self-sufficiency in food production and reduce reliance on imports because this is essential for food security.
しかし、私は、国々は食料生産の自給率を高め、輸入への依存を減らすべきだと考えます。なぜなら、これが食料安全保障にとって不可欠だからです。
05 メインアイデアは複数必要か?
ボディの構成が理解できたところで、各ボディに含めるべきメインアイデア(主要な論点)はいくつ用意するべきか、を考えてみましょう。
複数のメインアイデアで段落を構成する方が書きやすい
ライティングを学び始めの段階では、1つの段落に複数のメインアイデアを入れる構成の方が書きやすい場合があります。1つのアイデアを深く展開する力がまだ身についていなくても、複数のアイデアを並べることで段落をまとめやすくなるためです。
複数のメインアイデアで段落を構成する利点
複数のメインアイデアで段落を構成する欠点
それぞれの議論が浅くなる可能性がある
アイデアをたくさん考えておく必要がある
アイデアが似通っていると議論の繰り返しになる
06 ワンサイドで書く利点・欠点
「ワンサイド構成」とは、ボディ1・ボディ2ともに自分が主張するサイドのみを展開し、反論を取り上げない構成です。この書き方は、首尾一貫性の観点から有利とされています。
ワンサイドで書く利点
ワンサイドでは、最低2つのメインアイデアがあればエッセイを書き切ることができます。反論と自分の意見の両方を考える必要がない分、アイデアの準備が楽になります。
また、ボディ全体を通じて同じ方向の主張が続くため、論理の流れがブレにくく、Coherence(論理的なつながり)やCohesion(文章のまとまり)のスコアが安定しやすいというメリットがあります。
一方で、ワンサイドでは1つの段落を1つのメインアイデアで構成する場合、1つのアイデアを十分に掘り下げて展開する力が求められます。もし複数のメインアイデアを1段落に詰め込むと、ボディ1とボディ2で「なぜ段落を分けているのか」が不明瞭になります。ワンサイドでは、段落ごとに1つのメインアイデアで展開するのが自然な構成です。
反論を取り上げない分、「その意見には穴があるのでは?」と感じさせやすい構成です。とはいえ、ワンサイドの構成でもWriting 8.0程度のスコアは十分に達成とされています。
ワンサイドで書く利点
アイデアが少なくて済む
Coherence / Cohesionが乱れにくい
ワンサイドで書く欠点
アイデアの展開力が必要
1つの段落に複数のメインアイデアを入れにくい
議論の隙が生じやすい
ワンサイドで書く場合には、4〜5段落構成が好まれます。
4段落構成
導入(Introduction):議題+ポジション
ボディ1:自分の主張(1)を展開
ボディ2:自分の主張(2)を展開
結論(Conclusion):ポジション再確認+メインアイデア要旨
5段落構成
導入(Introduction):議題+ポジション
ボディ1:自分の主張(1)を展開
ボディ2:自分の主張(2)を展開
ボディ3:自分の主張(3)を展開
結論(Conclusion):ポジション再確認+メインアイデア要旨
07 さまざまな書き方のアプローチ
ここまで標準的な4段落構成(ボディ1で反論を考察、ボディ2で自分の主張)と、ワンサイド構成を紹介しました。
実際には、agree/disagreeタイプには他にもさまざまな書き方があります。
譲歩+自分の主張
よく使われるアプローチのひとつが、「譲歩(concession)+自分の主張」という構成です。ボディ1で対立意見の一部を認めたうえで、ボディ2で「しかしながら、〜」と自分の主張を展開するという書き方です。
譲歩+自分の主張のボディ構成
Body 1: It is true that [対立意見] ... because ...
Body 2: However, I believe that ... because ...
まずは基本で慣れること
さまざまな書き方を知っておくことは大切である一方で、最初のうちは標準的な4段落構成に慣れることを優先するといいでしょう。基本の構成が身についてきたら、書き方のバリエーションを少しずつ増やしていくと効果的です。
また、迷ったときや時間が足りないと感じたときは、基本型に戻れるようにしておくことも重要です。
08 このタイプでよくある失敗
agree/disagreeタイプで評価を落としやすいのは、英語そのものよりも立場の扱い方です。
失敗1:立場が途中で変わる
イントロダクションで「賛成」と書いておきながら、ボディ2で反対意見の方に説得力を持たせてしまい、結論ではどちらとも言えない形に落ち着くパターンです。読み手は最後まで書き手の立場を追っているため、途中でぶれると首尾一貫性の評価に直接影響します。書き始める前にポジションを決め、結論まで変えないのが原則です。
失敗2:反論の考察が自分の主張より厚くなる
ボディ1で「Some may argue that ...」と対立意見を紹介したあと、その意見を丁寧に説明しすぎて、どちらが自分の主張なのか分からなくなるケースです。ボディ1は「そう考える人がいる理由」の説明にとどめ、掘り下げはボディ2の方を厚くしましょう。
失敗3:問題文の主張を弱めたうえで賛成する
「Governments should ban private cars in city centres.」のような強い主張に対して、「一部の地域では制限すべきだ」と弱めた内容に賛成してしまうパターンです。問題文の主張のままで賛成できないのであれば、反対の立場を取るか、条件を明示して場合分けをする方が正確です。
失敗4:2つの理由が同じことを言っている
「経済的に得だから」「お金が節約できるから」のように、言い方を変えただけのメインアイデアを2つ並べてしまうパターンです。段落を分ける意味がなくなるため、プランニングの段階で「この2つは別の角度か」を確認してください。
09 よくある質問
「To what extent do you agree or disagree?」と聞かれたら、部分的に賛成と答えないといけませんか。
いいえ。「完全に賛成」「完全に反対」という立場で答えて構いません。「to what extent」は「この部分には賛成だが、この部分には反対」という柔軟な立場も許容するという意味であって、部分的な賛成を求めているわけではありません。重要なのは自分の立場を明確にし、一貫した論拠でそれを支えることです。
賛成と反対のどちらを選ぶとスコアに有利ですか。
有利・不利はありません。評価されるのは意見の中身ではなく、立場を明確に示し、それを論理的に展開できているかどうかです。アイデアを思いつきやすい側を選ぶのが現実的です。
ボディ1で反対意見を考察する構成と、最後まで自分の主張だけを書くワンサイド構成のどちらがよいですか。
どちらでも高いスコアは狙えます。ワンサイド構成はボディ全体を通じて同じ方向の主張が続くため、CoherenceやCohesionが安定しやすい一方、1つのアイデアを深く掘り下げる力が求められます。反対意見を考察する構成は、議論の隙が生じにくくなります。まずは標準的な4段落構成に慣れることを勧めます。
1つの段落にメインアイデアはいくつ入れるべきですか。
学び始めの段階では、1つの段落に複数入れる方が語数を満たしやすく書きやすい場合があります。ただし、それぞれの議論が浅くなりやすく、アイデアが似通っていると繰り返しになります。ワンサイド構成の場合は、段落ごとに1つのメインアイデアで展開するのが自然です。
「どちらともいえない」という立場で書いてもよいですか。
書くこと自体は可能ですが、明確な立場をとった方が論理的な議論を展開しやすくなります。立場があいまいなままだと、各段落で何を主張すべきかが決まらず、全体の流れがぶれやすくなります。
ボディ段落を3つにしてもよいですか。
ワンサイド構成であれば、導入・ボディ3つ・結論の5段落構成も使えます。ただし、時間内にそれぞれの段落を十分に展開できることが前提です。
譲歩を使った構成とはどのようなものですか。
ボディ1で「It is true that ...」と対立意見の一部を認めたうえで、ボディ2で「However, I believe that ...」と自分の主張を展開する形です。対立意見を他者のものとして紹介するのではなく、自分も一部認めたうえで結論を示す点が特徴です。