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ライティング・タスク1

ライティングはタスク1とタスク2のどちらから始めるべきか

IELTSのライティングは、60分でタスク1とタスク2の2題に答える形式です。画面にはタスク1が先に表示されますが、実は解く順番に決まりはなく、タスク2から書き始めても構いません。では、どちらから始めるのがよいのでしょうか。

結論からいえば一長一短で、向き不向きも分かれます。この記事では、タスク1から始める場合とタスク2から始める場合、それぞれのメリット・デメリットを整理したうえで、自分に合った順番の見つけ方を紹介します。

01前提:タスク2の配点はタスク1の2倍

順番の話に入る前に、前提となる数字を確認しておきましょう。ライティングの試験時間は60分で、タスク1は150語以上(推奨時間20分)、タスク2は250語以上(推奨時間40分)とされています。

ここで重要なのが配点の比率です。タスク2の配点はタスク1の2倍で、ライティング全体のスコアのおよそ3分の2はタスク2で決まります。つまり、時間配分の失敗のしわ寄せがタスク2に及ぶと、タスク1で同じ失敗をした場合よりもスコアへの影響がずっと大きくなるということです。

「どちらから書くか」は単なる好みの問題ではなく、この配点差を踏まえて、配点の大きいタスク2の仕上がりをどう守るかという戦略の問題だといえます。

ライティング IELTSライティング対策

02タスク1から始めるメリット・デメリット

まずは、出題の順番どおりタスク1から片付けるパターンです。

メリット
  • 残りの時間をすべてタスク2に集中して使える
    タスク1を20分、できればそれより早く切り上げれば、あとは終了時間までタスク2だけにフォーカスできます。途中で別のタスクへ頭を切り替える必要がなく、見直しの時間もタスク2に回せます。
  • 書き出しのウォームアップになる
    タスク1は分量が少なく、書き方の型もある程度決まっています。先に手を動かして試験モードに入ってから、負荷の大きいタスク2に向かうことができます。
デメリット
  • タスク1で時間を使いすぎるとタスク2が犠牲になる
    この順番の最大のリスクです。タスク2は配点の比率が大きい分、書く時間を削られたときのスコア全体への影響も大きくなります。
  • 必要以上に表現にこだわってしまう
    タスク1の途中で強制的に終了が来るわけではないので、「もう少しいい表現にできそうだ」とつい欲張って時間を使ってしまいがちです。しかし、タスク1は配点の比率が低いため、そこで表現を磨いてもトータルのスコアは変わらないことも多いのです。

タスク1から始める場合は、「20分たったら途中でも切り上げてタスク2へ移る」と決めて、実際にそれを実行できるかどうかが分かれ目になります。

03タスク2から始めるメリット・デメリット

次に、配点の大きいタスク2を先に片付けるパターンです。

メリット
  • 頭が最も冴えた状態でタスク2に取り組める
    試験開始直後の集中力を、配点の大きいタスクに使えます。アイデア出しや構成の検討など、頭を使う作業を万全の状態で進められます。
  • タスク2が未完成のまま終わる事態を避けやすい
    結論まで書き切れていないエッセイは、Task Responseの観点で不利になります。先に書いておけばこの最悪のパターンは起こりにくく、仮に40分を超えてしまっても、残りの時間でタスク1を多少クオリティを落としながらも全力で書き切れば、トータルのスコアではむしろ良い結果になることもあります。
デメリット
  • タスク1に残す時間が気になって集中しきれない
    あとにタスク1が控えていると、「残りの時間で足りるだろうか」と気になって、目の前のタスク2に十分集中できない人もいます。
  • 時間を使い切れずクオリティが落ちるリスク
    40分きっちり、あるいはそれ以内で終わらせようと意識するあまり、本来タスク2に使えるはずの時間を残したまま切り上げてしまい、内容を練り込めないことがあります。

タスク2から始めれば時間管理から自由になれる、というわけではありません。「タスク2は40分で一区切り」という上限は、この順番でも同じように必要です。

04自分に合った順番の見つけ方

どちらの順番が合うかは、自分の性格と時間管理のスタイルによって変わります。判断の軸としては、次の2つが役に立ちます。

  • 時間を機械的に区切れるか:決めた時間が来たら途中でも次へ移れる人は、タスク1から始めても失敗しにくいタイプです。逆に、書き始めると切り上げられない自覚がある人は、タスク2の時間を先に確保しておく方が安全でしょう。
  • 残っているタスクが気になるか:未消化のタスクのことが頭から離れないタイプの人は、軽いタスク1を先に片付けた方がタスク2に集中しやすくなります。大きいものを先に終わらせた方が落ち着く人は、タスク2からが向いています。

そして、どちらの順番を選んでも共通のルールがあります。タスクごとの時間の上限をあらかじめ決めて、時計で管理することです。順番はあくまで「どちらのタスクに集中の質を寄せるか」の選択であって、時間管理の代わりにはなりません。

最後に、本番で初めて試すのではなく、練習の段階で両方の順番を経験しておくことをおすすめします。同じ60分の条件で2回ずつほど書き比べてみると、仕上がりの差や心理的な負担の差は案外はっきり出ます。

IELTS学習アプリ MockTest-WT1 ライティング・タスク1の模擬試験。本番形式でタスク1の練習ができ、時間配分の感覚をつかむのに役立ちます。

05まとめ

タスク1とタスク2、どちらから始めるかのポイントを整理します。

  • タスク2の配点はタスク1の2倍。順番選びは、タスク2の仕上がりをどう守るかという戦略の問題
  • タスク1から始める場合:残りの時間をすべてタスク2に集中できる。ただしタスク1で時間を使いすぎるとタスク2が犠牲になり、スコアへの影響が大きい
  • タスク2から始める場合:冴えた頭で配点の大きいタスクに取り組める。ただし残りの時間が気になって集中しきれない、時間を使い切れずクオリティが落ちるといったリスクもある
  • どちらの順番でも、タスクごとの時間の上限を決めて守ることが前提
  • 本番前に両方の順番で書き比べて、自分に合う方を決めておく

順番そのものに、どちらが正解ということはありません。大切なのは、本番の緊張の中で初めて試すのではなく、練習のうちに自分の型を決めておくことです。自分に合った順番と時間配分が固まっていれば、当日は書くことだけに集中できます。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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