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Writing Task 2

the + 形容詞はいつでも使える?the rich・the young が自然な場合と不自然な場合

「the rich(裕福な人々)」「the young(若者)」のように、the と形容詞を組み合わせて人々のグループを表す形は、ライティングタスク2のパラフレーズでよく使われる便利な表現です。しかし、この形はどんな形容詞にでも使えるわけではありません。使える場合と使えない場合の区別を知らないまま使うと、かえって不自然な英文になってしまうことがあります。

この記事では、the + 形容詞が安全に使える形容詞のグループ、不自然になってしまうケース、そして迷ったときの判断基準を、具体例とあわせて解説します。

01the + 形容詞の基本:「〜な人々」を集合的に表す

the + 形容詞は、「その性質を持つ人々全体」を集合的に表す形です。the rich は rich people(裕福な人々一般)と同じ意味を、より引き締まった形で表現できます。個人ではなく、あくまでグループ全体を指すという点がこの形の核になります。

実際の使用例

The rich are often criticised for not paying enough tax.

裕福な人々は、十分な税金を払っていないとしばしば批判されています。

Governments should do more to support the unemployed.

政府は失業者を支援するために、もっと多くのことをすべきです。

ライティングタスク2では、貧富の差、高齢化、若者の行動といったテーマが繰り返し出題されます。こうしたテーマでは rich people、elderly people、young people といった表現を何度も使うことになるため、the rich、the elderly、the young と言い換えられると、同じ語の繰り返しを避けながら Lexical Resource(語彙力)のバリエーションを示すことができます。

02安全に使える形容詞:社会的グループとして定着した表現

the + 形容詞が自然に使えるのは、その形容詞が表すグループが「社会的な階層・カテゴリー」として広く認知されている場合です。ニュースや新聞、政府の報告書などで日常的に使われている、いわば定番の組み合わせです。代表的なものを分野別に整理します。

分野 表現 意味
経済・生活状況 the rich / the wealthy 裕福な人々
the poor 貧しい人々
the unemployed 失業者
the homeless 住まいを失った人々
the disadvantaged 恵まれない立場の人々
年齢 the young 若者
the old / the elderly 高齢者
the middle-aged 中年層
健康・身体 the sick 病気の人々
the injured 負傷した人々
the disabled 障害のある人々
the blind / the deaf 目の不自由な人々 / 耳の不自由な人々
教育・その他 the educated 教育を受けた人々
the illiterate 読み書きのできない人々
the dead / the living 亡くなった人々 / 生きている人々

これらに共通するのは、単なる「性質の描写」ではなく、社会の中で一つのグループとして扱われる存在だという点です。税制、福祉、雇用、医療といった社会的な議論の対象になるグループほど、the + 形容詞の形が定着しています。

見分け方のヒント

その表現を英語のニュース記事や新聞の見出しで見た記憶があるかどうかは、有力な手がかりになります。the rich、the elderly、the unemployed は頻繁に登場しますが、the tall や the happy をニュースで見かけることはまずありません。

03不自然になるケース:使えない形容詞と誤用パターン

一方で、the + 形容詞にすると不自然になるパターンが大きく分けて三つあります。いずれも「社会的グループとして定着しているかどうか」と「グループ全体への一般論かどうか」という二つの条件から外れるケースです。

パターン①:社会的グループとして定着していない形容詞

tall、intelligent、happy、beautiful のような形容詞は、人の性質を表すことはできても、社会的なカテゴリーとしては扱われていません。こうした形容詞を the + 形容詞にすると、文法的に完全な誤りとまでは言えないものの、通常のエッセイでは不自然で、詩的あるいは大げさな響きになってしまいます。

不自然な例

The tall have an advantage in most sports.

The intelligent tend to earn higher salaries.

自然な言い換え

Tall people have an advantage in most sports.

Intelligent people tend to earn higher salaries.

パターン②:特定の個人や身近な少人数を指す場合

the + 形容詞は、あくまで「その性質を持つ人々全般」に対する一般論のための形です。特定の一人や、自分の家族・近所といった身近な少人数のグループを指すことはできません。

不自然な例

My uncle is the rich.

The young in my neighbourhood are friendly.

自然な言い換え

My uncle is a wealthy man.

The young people in my neighbourhood are friendly.

逆に言えば、The young tend to adapt to new technology quickly.(若者は新しいテクノロジーへの適応が早い傾向がある)のように、世の中の若者全体について述べる一般論であれば自然に使えます。タスク2のエッセイは基本的に一般論を論じる場なので、この条件は満たしやすいと言えます。

パターン③:一時的な状態を表す形容詞

tired、busy、angry のような、その場限りの状態を表す形容詞も the + 形容詞にはなじみません。一時的な状態は、社会的なグループを形成しないためです。

不自然な例

Companies should allow the tired to take more breaks.

自然な言い換え

Companies should allow tired employees to take more breaks.

例外に注意

the sick(病気の人々)、the injured(負傷者)、the hungry(飢えに苦しむ人々)は、状態としては一時的でも、医療や人道支援の文脈で社会的グループとして完全に定着しているため自然に使えます。「一時的かどうか」そのものではなく、「社会的グループとして定着しているかどうか」が本質的な判断基準です。

04文法上の注意点:複数扱いと修飾のルール

安全に使える形容詞を選んだとしても、文法面でいくつか押さえておきたいルールがあります。

①動詞は必ず複数で受ける

the + 形容詞は「人々」を表すため、常に複数扱いです。単数の動詞で受けると誤りになります。

誤り

The elderly is more vulnerable to online scams.

正しい形

The elderly are more vulnerable to online scams.

②一人の人間を指すことはできない

the rich はグループ全体を指すため、「裕福な人々のうちの一人」という意味では使えません。個人を指したいときは、a wealthy person、one of the wealthiest people in the country のように別の形を使います。

③修飾したいときは副詞を使う

the very rich(大富豪層)、the extremely poor(極度の貧困層)のように、副詞での修飾は自然です。一方、形容詞を重ねて the rich young のようにすることはできません。

④所有格は of で言い換える

「高齢者のニーズ」と言いたいとき、the elderly のような形に所有格の s をつけるのは不自然です。the needs of the elderly のように of を使った形にすると自然になります。

05迷ったときの判断基準と安全な言い換え

ここまでの内容を、本番で使える判断基準として整理します。the + 形容詞を使う前に、次の二つを確認するとよいでしょう。

  • その表現を英語のニュースや新聞で見た記憶があるか(社会的グループとして定着しているか)
  • 特定の個人ではなく、その性質を持つ人々全体への一般論を述べているか

二つのうちどちらか一つでも自信が持てない場合は、無理に the + 形容詞を使う必要はありません。「形容詞 + people」の形は、どんな形容詞でも、どんな文脈でも自然に使える万能の形です。rich people、young people、unemployed people のように書けば、減点のリスクはゼロになります。

また、パラフレーズの引き出しとしては、the + 形容詞は選択肢の一つにすぎません。同じグループを表す表現を複数持っておくと、エッセイ全体で自然に言い換えを織り込めます。

言い換えのバリエーション例

elderly people / the elderly / older people / senior citizens

高齢者を表す言い換えのバリエーション

poor people / the poor / people living in poverty / low-income households

貧しい人々を表す言い換えのバリエーション

言い換えの引き出しを増やすには、実際に手を動かして練習するのが一番の近道です。プラスワンポイントの「+1 APP」には、パラフレーズ練習に特化したアプリが用意されています。

IELTS学習アプリ パラフレーズ練習アプリ 書き始めの2語からパラフレーズ文を作る、時間制限つきのトレーニング

貧困に関する表現のバリエーションについては、こちらの記事でさらに詳しく扱っています。

Writing Task 2 poor people はどこまで言い換えられる?貧困を表す表現のバリエーション

06まとめ

the + 形容詞は、正しく使えばパラフレーズの強力な武器になりますが、使える形容詞が限られていることを忘れないようにしましょう。この記事のポイントを整理します。

  • the + 形容詞は「その性質を持つ人々全体」を集合的に表し、動詞は必ず複数で受ける
  • 安全に使えるのは the rich、the poor、the young、the elderly など、社会的グループとして定着した形容詞
  • 定着していない形容詞(the tall、the intelligent など)や、特定の個人・少人数を指す場合は不自然になる
  • 一時的な状態を表す形容詞は原則使えないが、the sick や the hungry のように文脈で定着した例外もある
  • 迷ったときは「形容詞 + people」の形にすれば常に安全

次にエッセイを書くとき、rich people や elderly people が繰り返し登場する場面があれば、the rich、the elderly への言い換えを一度試してみてください。定着した表現を的確な場面で使えるようになると、エッセイの語彙の印象は確実に変わっていきます。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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