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IELTS総合対策

IELTS Online(自宅受験版)とテストセンター版の違い

IELTS Onlineは、自宅などから受験できるIELTSの試験形式です。テストセンターで受けるペーパー版・コンピューター版のIELTSとは、受験環境や監督方法、対応できる用途に違いがあります。

この記事では、IELTS Onlineの仕組みや、コロナ禍に導入された「IELTS Indicator」との違い、テストセンター版との具体的な違い、そして実際にどんな場面で使える・使えないのかを整理します。

01IELTS Onlineとはどんな試験か

IELTS Onlineは、2022年に導入された、自宅などから受験できるIELTSの試験形式です。2026年現在も実施されており、IELTS運営団体は対象国・地域を拡大しています。

自宅などから受験できる、正式なIELTS Academicの試験形式

IELTS Onlineは、ノートパソコンまたはデスクトップパソコンとインターネット環境さえあれば、自宅など好きな場所からIELTSを受験できる仕組みです。2022年から本格的に提供が始まり、IDPやBritish Councilなど主要な運営団体を通じて世界各国で予約が可能になっています。日本からもIDPの予約サイトを通じて申し込むことができます。

出題内容・時間配分・採点基準はテストセンター版と同じ

リーディング60分、リスニング約30分、ライティング60分という試験時間や、出題される設問の種類、採点に使われるBand Descriptorsは、テストセンターで受けるコンピューター版IELTSとまったく同じです。スピーキングだけは形式が異なり、対面ではなくビデオ通話を通じて試験官と1対1で行います。

対象はIELTS Academicのみ、General Trainingは非対応

注意したいのは、IELTS Onlineが対応しているのはAcademicモジュールのみだという点です。移住や就労で必要になることが多いGeneral Trainingや、UKビザ申請用のIELTS for UKVIは、2026年時点でIELTS Onlineでは受験できません。これらが必要な方は、後述するテストセンター版を選ぶ必要があります。

  • IELTS Onlineは2026年現在も実施中で、対象国・地域は拡大傾向
  • 試験内容・時間・採点基準はコンピューター版と同一
  • スピーキングのみビデオ通話形式で実施
  • 対応しているのはAcademicのみ。General TrainingとUKVIは非対応

02コロナ禍の「IELTS Indicator」とは別の制度

「コロナのときにオンラインで受けるIELTSがあった」という記憶がある方は、それはIELTS Onlineではなく「IELTS Indicator」という別の制度だった可能性があります。この2つは名前も仕組みも似ていますが、まったく別物です。

IELTS Indicatorは2020年に登場した一時的な代替措置

IELTS Indicatorは、新型コロナウイルスの影響でテストセンターが閉鎖された2020年に、その代替として導入された試験でした。リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を自宅から受けられる点はIELTS Onlineと似ていますが、あくまで「一時的な代替措置」という位置づけで、正式なTest Report Form(TRF)は発行されず、大学によっては出願の暫定的な参考資料として扱われるにとどまり、政府機関には一切受け入れられていませんでした。

テストセンターの営業再開とともにIELTS Indicatorは終了

テストセンターでの受験が再開されると、IELTS IndicatorはIELTS運営団体によって新規受付が終了されました。現在は新たに受験することができない、過去の制度です。

IELTS Onlineは2022年に登場した恒久的な正式試験

一方のIELTS Onlineは、IELTS Indicatorが役目を終えたあとの2022年に、恒久的な試験形式として新たに導入されました。IELTS Indicatorとは異なり、正式な電子成績証明書(eTRF)が発行される点が大きな違いです。「コロナの時にあったIELTSはもう終わっているが、今もオンライン受験できる別の正式な制度がある」というのが、2026年時点での正確な状況です。

項目IELTS Indicator(終了済み)IELTS Online(現行)
導入時期2020年、コロナ禍の一時的な代替措置2022年、恒久的な正式試験として導入
現在の状況新規受付は終了済み現在も実施中、対象国・地域は拡大中
成績証明書正式なTRFは発行されない、暫定的な参考スコア扱い正式な電子成績証明書(eTRF)が発行される
政府機関での扱い受け入れられない移民・専門資格登録目的では受け入れられない(後述)
Note

IELTS Indicatorのスコアをすでに保有している方は、受験日から2年間は英語力の目安として大学に参考にしてもらえる場合がありますが、新規に受験することはできません。今から「自宅でIELTSを受けたい」場合の選択肢は、次章以降で解説するIELTS Onlineになります。

03IELTS Online vs テストセンター版の違いを比較

IELTS Onlineとテストセンターで受けるIELTS(ペーパー版・コンピューター版)は、試験の中身自体は同じでも、受験環境や監督方法には明確な違いがあります。

項目IELTS Onlineテストセンター版
受験場所自宅など、静かでインターネット環境が整った場所British Council・IDP・JSAF・英検協会などの公式テストセンター
対象モジュールAcademicのみAcademic・General Training・IELTS for UKVI
スピーキングビデオ通話で試験官と1対1会場で試験官と対面
監督体制人による遠隔監督とAIによる監視の併用会場スタッフによる対面監督
使用機材受験者自身のノートPC・デスクトップ(有線の周辺機器のみ)会場設置のPC(コンピューター版)または筆記用具(ペーパー版)
結果発表までの日数6〜8日程度コンピューター版1〜5日程度、ペーパー版13日程度
成績証明書電子版(eTRF)のみ、紙の原本はなし紙の原本+電子版
最大の違いは「監督のされ方」

テストセンター版では、試験監督が会場で受験者全体の様子を直接確認します。一方でIELTS Onlineでは、事前に自室をカメラで映して不正がない環境かを確認する「ルームスキャン」を行ったうえで、試験中は人による遠隔監督とAIによる自動監視を組み合わせてチェックする仕組みが採用されています。移動時間や会場までの交通費がかからない利便性がある一方、自宅であっても試験中は会場と同等の緊張感で臨む必要があります。

紙の成績証明書が欲しい場合はテストセンター版一択

IELTS Onlineでは紙の成績証明書(TRF原本)は発行されず、電子版(eTRF)のみでの提供となります。提出先によっては紙の原本を求められることもあるため、この点もテストセンター版との実務上の違いとして押さえておきましょう。

04IELTS Onlineのスコアは「正式なリザルト」なのか、使える場面・使えない場面

IELTS Onlineは、IELTS Indicatorとは違い、正式な試験として電子成績証明書(eTRF)が発行されます。その意味では「正式なリザルト」です。ただし、どんな用途にでも使えるわけではない点には注意が必要です。

移民申請・専門資格登録の目的では受け入れられない

IELTS運営団体は公式に、IELTS Onlineは移民申請や専門資格登録の目的では政府機関や各種団体に受け入れられないと明言しています。ビザ申請、技能移民のポイント計算、看護師など専門職の資格登録といった用途でIELTSスコアが必要な場合は、IELTS Onlineではなく、必ずテストセンターでコンピューター版またはペーパー版を受験する必要があります。

大学・教育機関での受け入れは「機関ごとの確認」が必須

大学や語学学校などの教育機関については、IELTS Onlineのスコアを出願要件として受け入れているところと、そうでないところが混在しています。IDP公式サイトでも、提出先機関がIELTS Onlineの成績を認めているか予約前に必ず問い合わせるようにと案内されており、受験前に出願先へ確認することが前提になっています。志望校が決まっている場合は、先にアドミッションオフィスへ「IELTS Onlineのスコアで出願可能か」を問い合わせておくと安全です。

  • IELTS Onlineは正式な試験で、電子成績証明書(eTRF)が発行される
  • 移民申請・専門資格登録の目的では公式に受け入れられない
  • 大学・教育機関での受け入れ可否は機関ごとに異なるため事前確認が必須
  • 出願先が未確定の場合や用途に迷う場合は、汎用性の高いテストセンター版を選ぶほうが無難
注意

IELTS Onlineは正式な結果ではあるものの、受け入れ範囲がテストセンター版より狭いという点がポイントです。用途に応じてどちらの試験形式を選ぶべきか、事前の確認を怠らないようにしましょう。

05日本からIELTS Onlineを受験する方法と当日の注意点

日本からIELTS Onlineを受験する場合、IDPの専用予約サイトから申し込みます。テストセンター版とは異なる注意点がいくつかあるため、事前に確認しておきましょう。

2026年の運営体制変更について

2026年2月より、日本国内のIELTSペーパー版・コンピューター版の運営はIDPから一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)に引き継がれました。ただし、この移管の対象はテストセンターでの受験のみで、IELTS Onlineは含まれていません。JSAF公式サイトでも「IELTS Onlineに関するサポートは行っていない」と明記されており、予約・問い合わせ窓口は引き続きIDP(ieltsonline@idp.com)です。

予約は受験日の48時間前まで

IELTS Onlineは、テストセンター版に比べて直前まで予約できる柔軟さがあり、受験日の48時間前まで申し込みが可能です。ただし人気の日程はすぐに埋まることもあるため、早めの予約が安心です。

受験料はUSD建て、為替レートで日本円換算額が変動

受験料は日本のコンピューター版(27,500円)と同水準になるよう設定されていますが、支払いはUSD建てで、Visa・Mastercardによるカード決済のみとなります。為替レートによって日本円換算額が変動するため、正確な金額は予約画面で確認してください。

使用できる機材にも細かいルールがある

IELTS Onlineの受験には、ノートパソコンまたはデスクトップパソコンが必要です。画面は1台のみで、複数モニターの接続は認められていません。スマートフォン・タブレット・Chromebookでは受験できません。また、キーボード・マウス・スピーカー・マイク・Webカメラはすべて内蔵または有線のものに限られ、Bluetoothなどのワイヤレス機器や、有線を含むヘッドフォンの使用も認められていません。

試験前にはスマートフォンを使った「ルームスキャン」が必要

試験開始前には、スマートフォンやタブレットのカメラを使って自室を映し、不正がない静かな環境であることを確認する「ルームスキャン」が行われます。ルームスキャンが終わったらそのスマートフォンは電源を切って手の届かない場所に置く必要があり、試験中に近くにあるだけでも不正行為とみなされる可能性があります。

  • 予約は受験日の48時間前まで可能(早めの予約が安心)
  • 受験料はUSD建て。日本円換算額は為替レートで変動する
  • 受験にはノートPCまたはデスクトップPCが必須。スマホ・タブレット・Chromebookは不可
  • 画面は1台のみ(複数モニター不可)。周辺機器は内蔵または有線接続。Bluetoothなどのワイヤレス機器やヘッドフォンは使用不可
  • 試験前にスマートフォンで自室のルームスキャンを行い、その後は電源を切って離れた場所に置く

06IELTS Onlineとテストセンター、どちらを選ぶべきか

ここまでの内容を踏まえると、選択の基準は試験そのものの難易度ではなく、スコアの提出先にあることがわかります。

移民・専門資格登録が目的ならテストセンター一択

ビザ申請、技能移民のポイント計算、看護師など専門職の資格登録が目的の場合、IELTS Onlineのスコアは使えません。迷わずテストセンターでコンピューター版かペーパー版を選びましょう。General TrainingやIELTS for UKVIが必要な場合も同様です。

大学出願が目的ならまず出願先に確認を

大学や大学院への出願が目的であれば、まず志望校がIELTS Onlineのスコアを受け入れているかを確認しましょう。受け入れが確認できれば、自宅から受験できる利便性を活かせます。確認が取れない、あるいは複数校に出願する予定で確認の手間を省きたい場合は、汎用性の高いテストセンター版を選んでおくほうが安全です。

自宅の受験環境を用意できるかも判断材料に

IELTS Onlineは移動の手間がない反面、静かで人に邪魔されない部屋、安定したインターネット回線、指定条件を満たすパソコンや周辺機器をすべて自分で用意する必要があります。同居家族がいて長時間静かな環境を確保しにくい方や、機材トラブル時のサポートに不安がある方は、会場のスタッフが対応してくれるテストセンター版のほうが安心して臨めるでしょう。

  • 移民申請・専門資格登録・General Training・UKVIが必要な場合はテストセンター版一択
  • 大学出願が目的なら、まず志望校にIELTS Onlineの受け入れ可否を確認する
  • 静かな受験環境や機材を自分で用意できるかどうかも重要な判断材料

07まとめ

IELTS Onlineは、コロナ禍限定だった「IELTS Indicator」とは別の、2022年に導入された現行の正式な試験制度で、2026年現在も実施されています。試験の内容や採点基準はテストセンター版と同じですが、対応モジュールがAcademicのみである点、移民申請や専門資格登録の目的では受け入れられない点など、テストセンター版とは異なる制約があります。

「自宅で受けられて便利そう」という理由だけで選ぶのではなく、自分のスコアの提出先がIELTS Onlineを受け入れているかどうかを必ず確認したうえで、テストセンター版と使い分けることが大切です。

IELTS総合対策 IELTS申込方法・受験料・会場の選び方
  • IELTS Onlineは2026年現在も実施中の正式な試験制度
  • コロナ禍限定だった「IELTS Indicator」とは別物で、Indicatorはすでに新規受付を終了している
  • 対応しているのはAcademicのみ。General TrainingとUKVIは非対応
  • 正式な電子成績証明書(eTRF)が発行されるが、移民申請・専門資格登録の目的では受け入れられない
  • 大学・教育機関での受け入れ可否は機関ごとに異なるため、受験前に必ず確認する
  • 受験にはノートPC・デスクトップPC、有線の周辺機器、静かな受験環境が必要
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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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