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Writing Task 2

直接的な解決策とは?

「直接的な解決策を書くようにしましょう」という添削コメントを受けたことがある人もいるのではないでしょうか。ただ、「直接的」とはどういう意味なのか、いまひとつピンとこないこともあります。今週のサミットで扱った問題を題材に、直接的な解決策と間接的な解決策の違いを具体的に解説します。

01「間接的な解決策」になりやすい落とし穴

ライティングサミット第209週

In many countries, the number of animals and plants is declining. Why do you think this is happening? How can this issue be solved?

今回のテーマは「動植物の数が減っている」という問題です。原因として「気候変動」「環境汚染」といった環境問題を挙げた人は多かったと思います。これ自体は的外れではありません。

ただ、解決策として「CO₂の排出を減らす」「省エネを進める」「再生可能エネルギーを普及させる」といった対策を書いた場合、どうなるでしょうか。

CO₂排出削減 気候変動を抑える 生息環境の悪化を防ぐ 動植物を守る

この流れを見ると、解決策が動植物の減少に対して2〜3ステップ離れていることがわかります。これが「間接的な解決策」です。論理的には正しいのですが、テーマである「動植物の減少」を直接解決する議論になっていません。採点基準の「Task Response」という観点で見ると、より的確な解答ができる可能性を逃していると言えます。

間接的な解決策を含めること自体は問題ありません。しかし、直接的な解決策にも触れることで、議論が多面的になり、より高い評価につながります。

02動植物減少の「直接的な原因」を整理する

まず、なぜ動植物が減っているのかを「現場レベルで生物に直接影響を与えている要因」として整理します。

1. 生息地の破壊・分断

動植物の減少において、最も大きい原因とされているのが生息地の喪失です。森林伐採、都市開発、農地拡大などによって動植物の住む場所が失われます。ダムや道路の建設により生息地が分断されることで、繁殖や移動が阻まれます。

2. 過剰な利用(取りすぎ)

漁業による乱獲、象牙や毛皮を目的とした密猟、薬用・ペット目的の採取などにより、個体数が自然に回復できる速度を超えて減少しています。

3. 外来種の侵入

人間の活動によって持ち込まれた外来生物が、在来種を捕食したり、資源をめぐって競合したり、病気を媒介したりすることで、固有種が急速に数を減らしています。

4. 汚染

農薬・化学物質・重金属・プラスチックごみ・水質汚染・大気汚染などが、動植物の直接的な死亡や繁殖障害を引き起こしています。

5. 気候変動

気温上昇による生息適地の消失、海水温上昇によるサンゴの死滅、季節のズレによる繁殖失敗など、すでに生物に直接影響を及ぼしています。

この5つを把握しておくと、「解決策も5つの原因それぞれに対応する形で考えられる」という視点が生まれます。

03「直接的な解決策」と「間接的な解決策」の対比

解決策には、動植物や生息地に直接働きかける「直接的な対策」と、環境問題の改善を通じて間接的に動植物を守る「間接的な対策」があります。

直接的な解決策
  • 保護区の設置(自然の生息地を法律で守る)
  • 絶滅危惧種の保護・繁殖プログラム
  • 外来種の侵入防止・駆除
  • 密猟の取り締まり強化
  • 伐採した森林の再生・野生動物の移動回廊の整備
  • 持続可能な漁業・農業の推進(農薬の削減、漁獲量の規制)
  • プラスチックごみの削減・河川や海への排水規制
間接的な解決策
  • CO₂排出削減・再生可能エネルギーの普及(気候変動対策)
  • 省エネの推進
  • 環境教育・市民への啓発

動植物の減少をすぐに食い止めるには直接的な対策が効果的ですが、長期的には間接的な環境対策も不可欠です。両方を組み合わせることが理想です。

「直接的かどうか」を判断する問い

迷ったときは、次の問いを使ってみるとよいでしょう。

「この解決策を一文で説明したとき、動物・植物・生息地が主語または目的語として出てくるか?」

出てくれば直接的な解決策、出てこなければ間接的な可能性が高いと判断できます。たとえば「保護区を設置して動植物の生息地を守る」は動植物が文中に現れるので直接的です。一方、「CO₂排出を削減して気候変動を抑える」は動植物が文中に出てこないため、間接的と判断できます。気候変動自体は動植物に直接影響を与えますが、その対策であるCO₂削減は「気候変動を経由して」動植物を守るため、間接的に分類されます。

04エッセイでどう使うか

タスク2 の "Why...? How can this be solved?" 型では、通常「原因2つ+解決策2つ」の構成が標準です。このとき、次のような組み立てが「直接的」で的確な議論につながります。

原因のパラグラフ

気候変動や環境汚染を原因として挙げること自体は問題ありません。ただし「生息地の破壊」「密猟」「外来種」といったより直接的な原因も視野に入れると、テーマに正確に応えやすくなります。

解決策のパラグラフ

解決策は、できるだけ挙げた原因に対応させることが重要です。たとえば「生息地の破壊」を原因に挙げたなら、解決策は「保護区の設置」や「森林の再生」になります。「気候変動」を原因に挙げた場合でも、解決策を「CO₂削減」だけで終わらせるのではなく、「気候変動によって失われた生息地を回復させる」という直接的な視点を加えると、Task Response の面で厚みが出ます。

間接的な解決策を含めること自体はむしろ望ましいです。ただ「動植物の減少」というテーマから2〜3ステップ離れた議論だけになってしまうと、課題に正確に応答できていないと見られることがあります。

05まとめ

  • 「原因に対して解決策が直接対応しているか」を常に確認するとよいでしょう
  • 環境問題系の解決策(CO₂削減など)は間接的になりやすいため、直接的な対策とのバランスを意識する
  • 直接的な解決策(保護区設置、密猟防止、外来種対策など)は具体的でテーマに直結するため、Task Response の評価にプラスに働く
  • 「失われた自然を守る」だけでなく、「壊れた自然を回復させる」という視点を加えると論点が広がる

今回のタスクで言えば、動植物の減少は環境問題の結果であると同時に、それ自体が独立した問題です。解決策を考えるときは「この対策は動植物の数を直接増やすことにつながるか」という問いを持ってみてください。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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