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スピーキング

IELTSスピーキング初級者向け:ヘジテーションを減らすステップ式練習法

IELTSスピーキングでは、内容の良し悪し以前に「言葉に詰まる」「同じ表現を繰り返す」といったヘジテーションが、Fluency and Coherenceの評価を大きく下げてしまいます。特にBand5.5前後の学習者は、アイデアを考えるのと文法を組み立てるのを同時にこなさなければならず、頭の中の処理が追いつかずに沈黙やuh、soといったつなぎ言葉が増えてしまいがちです。

この記事では、まだ英文を作るのに時間がかかる、使えるパーツがまだ少ない、という段階の学習者が、ヘジテーションを減らすためにどのような順番で練習を積んでいけばよいかをステップごとに紹介します。

01なぜ初級者ほどヘジテーションが増えるのか

スピーキングで英文を話すとき、頭の中では複数の作業が同時に進んでいます。何を答えるかというアイデアを考える、それを文法的に正しい形に組み立てる、適切な単語を選ぶ、実際に発音する、という4つの作業をほぼ同時にこなさなければなりません。

アイデアを考える
+
文法を組み立てる
+
単語を選ぶ
+
発音する

この4つを、ほぼ同時に処理する必要があります。

使える文法パターンや語彙のストックが豊富な学習者は、この作業の多くを無意識にこなせるため、アイデアを考えることに意識を集中できます。一方で、まだ使いこなせるパーツが少ない学習者は、文をゼロから組み立てる必要があり、処理の負荷が一気に高くなります。その結果、考えている間に沈黙が生まれたり、uh、soといったつなぎ言葉で時間を稼いだり、言いかけた文を途中で言い直したりすることが増えてしまいます。

つまりヘジテーションは、単なる「慣れの問題」ではなく、頭の中の処理能力に対して求められる作業量が多すぎることが原因で起きています。この構造を理解すると、練習の順番が見えてきます。いきなり本番形式で話す練習をするのではなく、まずは処理の負荷そのものを下げる練習から始めるとよいでしょう。

02ステップ1:話すための「パーツ」をストックする

最初のステップは、よく使う場面ごとに、考えずに口から出せる「型」をあらかじめ用意しておくことです。型を持っていれば、その場で文法を組み立てる作業が省略できるため、頭の中のリソースをアイデアに回せるようになります。

特にPart1でよく出るのは、頻度・理由・対比・補足を答える場面です。それぞれについて、丸ごと覚えて使い回せるフレーズを用意しておくとよいでしょう。

頻度を答えるときの型

"I'd say I do it about [数] times a [期間]."
"I usually do it on [曜日/時間帯]."

理由を続けるときの型

"That's mainly because ..."
"The main reason is that ..."

対比するときの型

"But on weekends, ..."
"Whereas during the week, ..."

補足するときの型

"Also, ..."
"On top of that, ..."

ポイントは、これらの型を「意味を考えながら組み立てる」のではなく、「丸ごと覚えて、必要な部分だけ入れ替える」という感覚で使うことです。型の数はまず4〜5個程度で十分です。数を増やすよりも、少ない型を確実に瞬時に出せるようにすることを優先しましょう。

  • 頻度・理由・対比・補足の4パターンから型を1つずつ選ぶ
  • 型は日本語で意味を確認したうえで、英語のまま声に出して覚える
  • 型の数より、瞬時に出せる正確さを優先する

03ステップ2:アイデアと文法を切り離して考える

型がある程度身についたら、次はアイデアを考える作業と、それを英語にする作業を分けて練習します。この2つを同時に行おうとすることが、ヘジテーションの大きな原因になっているためです。

具体的には、次の手順で練習します。

  • まず質問に対して、内容だけを日本語で一言メモする(例:週2回、モールで買い物)
  • そのメモを見ながら、ステップ1で用意した型に当てはめて英語にする
  • 型に当てはめる作業に慣れてきたら、メモを見ずに口頭だけで同じ手順を再現する

このとき大切なのは、アイデアを考える段階では英語のことを一切考えない、という区切りをはっきりつけることです。内容と文法を同時に処理しようとするから止まってしまうのであって、順番に処理すれば、それぞれの作業量は決して多くありません。

慣れてきたら、準備時間なしで質問を受けてすぐに型を選び、内容を当てはめて答える練習に移ります。最初は多少ぎこちなくても構いません。型を選ぶという動作自体を素早くできるようにすることが、この段階の目的です。

04ステップ3:声に出して自動化する

型を選んで内容を当てはめる作業がスムーズにできるようになったら、最後は反復によってその動作を自動化する段階に入ります。自動化とは、考えなくても口が勝手に動く状態のことです。

効果的なのは、タイマーを使った短答練習です。1つの質問に対して15秒で答える練習を、テーマを変えながら繰り返します。15秒という短い時間で答えようとすると、余計なことを考える余裕がなくなり、型を使う動作そのものに集中できます。慣れてきたら30秒、45秒と時間を伸ばしていき、最終的には本番のPart1と同じ長さで答えられるようにしていきます。

あわせて、自分の発話を録音して聞き返すことも有効です。uh、soといったつなぎ言葉がどれくらいの頻度で出ているか、同じ言い直しを何度もしていないかを客観的に確認できます。回数を記録しておくと、練習を重ねるごとに減っていく様子が見えて、モチベーションの維持にもつながります。

シャドーイングも、この段階の練習として役立ちます。ネイティブスピーカーの自然な受け答えを聞きながら、同じリズムとイントネーションで声に出してなぞることで、頭で文法を組み立てる前に口が動く感覚を養うことができます。

IELTS学習アプリ スピーキングチャンク練習 よく使うチャンクを声に出して練習できるツールです。型を口に馴染ませる段階の練習に活用できます。

05まとめ

ヘジテーションは、内容と文法を同時に処理しようとする負荷の高さから生まれます。だからこそ、いきなり本番形式で話す練習を重ねるだけでは、なかなか改善につながりません。負荷を下げる型を用意し、アイデアと文法を切り離して考え、最後に反復で自動化するという順番で練習を積むことが、遠回りに見えて実は最短のルートになります。

  • 頻度・理由・対比・補足の型を4〜5個ストックする
  • アイデアを考える作業と英語にする作業を分けて練習する
  • タイマーを使った短答練習で型を選ぶ動作を自動化する
  • 録音して自分のつなぎ言葉の回数を客観的に確認する

まずは1つの型を選び、今日中に10回声に出してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

スピーキング IELTSスピーキングPart1・2・3トピック総まとめ
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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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